「どこも怪我はない?」
両掌で赤く染まった頬を隠し、俯いたまま動けなくなった少女へ、青年は心配そうに言葉を掛けた。慌てて大きく頷いたナーギニーは、そのまましばらく身じろぎも出来ずにいたが、長い睫の先に近寄った気配を感じて、伏せていた瞳をゆっくりと上げてみせた。
榛色の滑らかな肌に、弓なりの唇が笑みを湛えていた。形の整った鼻梁の先に、温かみのある双眸が揺らいでいる。瞳の色はシルバーの輝きを帯びたグレイ・トパーズ。それは優しさを注ぎながら、奥底に持つ芯の強さも垣間見せた。
「大丈夫そうだね」
ナーギニーの身長に合わせて折っていた膝を伸ばしながら、彼は自身でも答えを導き出し安堵した。タージの正面を望むよう遠くへ向けた横顔が、月光に照らされた美しいシルエットを思い起こさせる。あの時と同じくターバンからはみ出した紫黒色の髪が、そよ風に吹かれて心地良さそうに震える。そんな麗しい姿に見とれていたナーギニーへ、青年の瞳は振り返り、少女はハッと我に返った。
両掌で赤く染まった頬を隠し、俯いたまま動けなくなった少女へ、青年は心配そうに言葉を掛けた。慌てて大きく頷いたナーギニーは、そのまましばらく身じろぎも出来ずにいたが、長い睫の先に近寄った気配を感じて、伏せていた瞳をゆっくりと上げてみせた。
榛色の滑らかな肌に、弓なりの唇が笑みを湛えていた。形の整った鼻梁の先に、温かみのある双眸が揺らいでいる。瞳の色はシルバーの輝きを帯びたグレイ・トパーズ。それは優しさを注ぎながら、奥底に持つ芯の強さも垣間見せた。
「大丈夫そうだね」
ナーギニーの身長に合わせて折っていた膝を伸ばしながら、彼は自身でも答えを導き出し安堵した。タージの正面を望むよう遠くへ向けた横顔が、月光に照らされた美しいシルエットを思い起こさせる。あの時と同じくターバンからはみ出した紫黒色の髪が、そよ風に吹かれて心地良さそうに震える。そんな麗しい姿に見とれていたナーギニーへ、青年の瞳は振り返り、少女はハッと我に返った。



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