「あなたもナーギニーも或る時間の記憶を失っているのよ。正確にはシャニに奪われているの。……思い出しなさい、自分が何者であるのかを。自分の本当の名を。一つだけヒントをあげるわ。わたしはあなたの親友の妻よ」
「親友の……?」
イシャーナの瞳は困ったように瞬いてしまった。これまでの人生で、親友と呼べる友人など出来た覚えがないからだ。
「あなたが全てを思い出せなければ、ナーギニーも救えないわよ。もう選良披露まで一日もない……イイ? それまでに必ず自分の過去を思い出して。あなたが思い出せばきっと彼女も……でも一つだけ忘れないでいて。ナーギニーも自分で思い出さなければ意味がないの。あなたはそのキッカケを作るだけで、彼女の本当の名はどうか自身で思い出させてちょうだい」
「それは……ナーギニーという名も本来の名前ではないと?」
「そうよ。あなたも初めてこの名を知った時、ピンとこなかったのではなくて?」
その言葉に思わずイシャーナはハッとした。確かにあの真夜中の墓廟で巡り会った時、シュリーが叫ぶ彼女の名を聞いて、何かが腑に落ちなかったのはそういうことだったのだ。(註1)
「親友の……?」
イシャーナの瞳は困ったように瞬いてしまった。これまでの人生で、親友と呼べる友人など出来た覚えがないからだ。
「あなたが全てを思い出せなければ、ナーギニーも救えないわよ。もう選良披露まで一日もない……イイ? それまでに必ず自分の過去を思い出して。あなたが思い出せばきっと彼女も……でも一つだけ忘れないでいて。ナーギニーも自分で思い出さなければ意味がないの。あなたはそのキッカケを作るだけで、彼女の本当の名はどうか自身で思い出させてちょうだい」
「それは……ナーギニーという名も本来の名前ではないと?」
「そうよ。あなたも初めてこの名を知った時、ピンとこなかったのではなくて?」
その言葉に思わずイシャーナはハッとした。確かにあの真夜中の墓廟で巡り会った時、シュリーが叫ぶ彼女の名を聞いて、何かが腑に落ちなかったのはそういうことだったのだ。(註1)



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