明日からはきっと忙しくなるに違いない! ナーギニーはシュリーが去った後、すぐにベッドに横になった。夜明けと共にリスにナッツをあげ、再びの庭園散策に三度目の昼食会、挿絵でしか知らないゾウに乗ることも街巡りもきっと緊張することだろう。夕食の後には約束は出来ていなくとも、ナーガラージャが来てくれるかもしれない。そしてその後にはシュリーとの楽しい時間も待っている――そう考えを巡らせば、高まる鼓動の揺らめきは、なかなか少女を眠りに導いてはくれなかった。

 それでも翌朝の目覚めは良く、全ての計画はスムーズにこなされた。リスは昨朝よりも警戒心が薄れ、慌てることなくナッツを口に含み、意気揚々と戻っていった。そして何よりも有り難かったのは、朝食を運んできた侍女の一人がシュリーに代わられていたことだ。お陰ではにかみながら掛けた朝の挨拶も、こっそり自然に返された。ナーギニーはそんな当たり前のやり取りに、もう一人の侍女に隠すのが難儀なほど喜びが全身に溢れてしまった。