「神代……諏訪ちゃんのこと守って。 って頼んだよな? なんで如月と徒競走して遊んでるんだよ」
「すみません、魔が差しました」
「なんじゃそりゃ。 まったくもう……俺が迎えに行ってくるからみんなのこと頼むよ。 マ・ジ・で、頼むぞ?」
「了解です。 ほんとすみません」
あ、もしかして桜井先輩に諏訪のことを迎えに行かせるために俺をけしかけた?
と一瞬思ったけど、神代先輩は本気で申し訳なさそうな顔をしてる。
多分アレだ、鼻歌のことが恥ずかしくて咄嗟にその場から逃げ出したんだ。
諏訪のことが目に入らないくらいに、動揺してたんだと思う。
……あー、つまりは俺のせいだな。
俺が神代先輩をからかったから……。
「……桜井先輩、すみませんっ!! 俺も諏訪のこと頭からすっぽ抜けてましたっ!! 俺も一緒に迎えに行きますっ!!」
と申し出ると、桜井先輩は少し驚いた顔をしたけれどすぐに微笑んだ。
「怖がりなのにまたトンネルに入るんだ?」
「うっ……た、確かに怖いですけどっ……!! でも諏訪を一人にしちゃったのは俺の責任でもあるのでっ……!!」
「うん、神代と如月 二人の責任だ。 今回のことをしっかり反省して、誰かを置き去りになんてもう二度としないこと。 いいね? わかった?」
「それはっ……もちろんわかってますっ……!!」
「わかってるのならいい。 諏訪ちゃんは俺が迎えに行ってくるから如月は神代と一緒にここで待機。 つーか休んどけ。 顔色が悪いからこれ以上は無理すんな」
桜井先輩が、俺の肩をポンッと叩いた。
……顔色? が、悪い……?
自分ではよくわからないけれど、俺はそんなに顔色が悪くなっているのだろうか?
というのを確認するため、近くに居る神代先輩に視線を送ると……先輩は苦笑気味に笑いながら小さく頷いた。



