先輩と二人きりになるのは凄く久しぶりだから、緊張で胸がドキドキする。
ううん、それだけじゃない。
今日の先輩が、凄く格好良いから……だから余計にドキドキしてるんだ。
「あの…先輩……」
「ん?」
「……私も、先輩の今日みたいな格好 初めて見ました。 凄く似合ってて…素敵だと思います」
先輩の言葉に対抗してとか、からかうとか、そういうのじゃなくて。
私が見て感じたことを……本音を伝えたいと思った。
そんな私の言葉を聞いた桜井先輩は、
「ありがとうっ。 そう言ってもらえてすげー嬉しいよっ」
と、本当に本当に嬉しそうな顔をした。
私の言葉に、心の底から喜んでいるみたい。
「諏訪ちゃんとご飯行く日はこれ着ようってずっと思ってたんだっ。 良い印象でよかったー。 「変な格好だから一緒に歩くの嫌だ」って言われたらどうしようかと思ってたもん」
「そ、そんなこと言いませんよっ。 むしろ私の方がっ……!!」
「諏訪ちゃんの格好 可愛いよ。 からかってるわけじゃなくて、これマジの本音だからね?」
「……うぅ……ありがとう…ございます……」
真っ直ぐに見つめられて、顔が熱くなる。
……恥ずかしい……。
でも、なんていうか……先輩が無邪気に笑ってるのを見ると、心がふっと軽くなる。
最近ずっと上手く話せてなかったけど、今日は私もいつもみたいに笑えてると思う。
今は先輩との二人の時間を楽しみたい。 って、そう思ってるんだ。



