若旦那様の憂鬱

「なぁ、柊生君て普段からそんなんで疲れない?」
まさかの人からの質問で思わず笑ってしまう。

「どう言う事ですか?」
苦笑いしながら聞き返す。

「君っていつも怒らず、悪態も付かず、冷静で何事にも対応してて凄いけどさ。疲れない?」

まぁ、あなたに素は見せられ無いけど。

「普段からこんな感じですよ。昔から、一橋の看板を背負って歩いてるせいか、気付けばこう言う人間になってました。」
そう言って笑う。

「そうなの?出来た人だねー。
俺なんか、御曹司の仮面剥がれまくりで生きてるけどね。」

確かに、裏表無く分かりやすい人だとは思う。

「確かに、島津さんの方が生きやすいかもしれませね。」

そう言って笑う。

そのうちエレベーターから人が降りて来る気配がして、どうやら同窓会が終わったようだ。

島津さんも、
「一仕事して来るかぁ。じゃあまたね。」
と、俺に別れ告げて人員整理に離れて行った。