若旦那様の憂鬱

花とたわいも無い話をして、束の間癒される。
後ろ髪をひかれつつ部屋を出ようとすると、

「私も、柊君と写真撮りたかったな…。」
と、花が突然言う。

さっき撮ったのにと思うが、
俺が、今は袴姿だったからだろうか?

そんな花からの可愛いお願いなら、何だって聞いてやりたいと思う。

帯を外してしまった為、誰かにシャッターを押してもらう事も出来ないと、スマホを出して自撮りする。

小柄な花と背を合わせのは容易じゃ無いが、花からのお願いは初めてじゃ無いかと思うぐらい記憶に無い。

若干、照れもあってつい揶揄ってしまう。

もう揶揄うのは辞めようと思っていたのに…

ここぞとばかりに可愛いと、いい過ぎたのがいけないのか、花が耳まで真っ赤になって照れてしまう。

その可愛い真っ赤な耳を食べてしまいたいと、人知れず本能が疼く。

そんな風に思ってしまう兄を、花は許してくれるだろうか……。