若旦那様の憂鬱

花の出発の時間になり、花の友達が迎えに来る。
俺と写真を撮りたいと言うそのタイミングで、彼女に少しお願いをした。

花に近付く虫を追い払う事と、
花がお酒を飲まないように見ていて欲しいと言う事。

そのぐらい兄として予防線を張ってもおかしく無い筈だ。

ストールを羽織り、出かける支度をしている花にそっと近付き、前もって用意していた祝い金をそっと渡す。

すんなり受け取らないだろうとは分かっていたが、男として何もしてあげられないから、せめて兄として何かしてやりたい。

無理矢理、帯に挟みさっさと離れる事にした。
いつまでこの距離を俺は保っていられるのだろうか、耐えられるのか…。