若旦那様の憂鬱

「花ちゃん!
待ってたよー、お久しぶり。」
 
高校の時に同じクラスだった椎菜がロビーで待っていてくれた。

詩織は違うクラスだった為、会場ではクラス分けされてるようで、一緒に居られない。

椎菜は詩織よりは穏やかな性格で、どっちかと言うと花と似ている。

「もう、結構人来てて、1人じゃ入り辛かったから、
花ちゃんに会えて良かった。」

「私も1人じゃ無理だったから良かったよ。」
2人手を取り会場へ進む。

ホテルの最上階のダイニングバーは、シックな雰囲気で照明も落とされて大人な空間だった。

恐る恐る2人はクラスの場所に行く。

「花と椎菜、久々だねー!!」
 
ぎゅっと抱きついて来たのは姉御肌のカンナで、当時は生徒会長もやっていた。
この会の主催者だ。

「良く来てくれたねー!ありがとう。」

「こちらこそ。いろいろ大変だったでしょ?ありがとうね。」
花もカンナにお礼を言う。

「なんか花、見ない間に綺麗になったね。
彼氏でも出来た?」
と、カンナが言ってくる。

「残念ながら、多分プロのメイクのせいだよ。」
花は苦笑いしながら言う。

「そんな事ないよ。大人っぽくなった。イケメンお兄様達は相変わらず?」

「兄達は相変わらずモテモテだよ。今日も康君が送って来てくれた。」
高校の時、暗くなると兄のどちらかが迎えに来ていたから、一橋兄妹の過保護はそこそこ有名になっていた。

「相変わらず過保護だねー。ひさびさにお兄様達にも会いたかったなぁ。」

「帰りは柊君が迎えに来てくれるよ。」

「本当⁉︎じゃあ、一緒に写真撮ってもらえるかなぁ?」

「今日は、朝から写真責めだったから…どうかなぁ。」
柊生の嫌そうな顔が浮かんでくる。