若旦那様の憂鬱

少し茶室で休んでから館内にあるレンタル店に行く。

旅館でも結婚式をやれるような大広間がある。
隣接する神社と提携して披露宴を行うことが出来るようになっている。

その為、衣装レンタルと写真館が館内にあるのだ。

「今晩は。京子さん、お久しぶりです。」

「あら、花ちゃん待ってたわ。
成人おめでとう。
若旦那から聞いてるから、好きな衣装どれでも着てってくれていいからね。」

「ありがとうございます。
同窓会ってどんな感じの服装が良いと思いますか?」

「場所にもよるけど、ホテルや旅館だったらカクテルドレスの人もいるだろうし、スーツの人もいると思うわ。」

「ホテルにあるお洒落なカクテルバーを貸し切ったみたいなんです。」

「じゃあ。スーツとドレスの中間みたいなのもアリね。
若旦那からは、露出度の少ない落ち着いた感じでって言われてるけど。
花ちゃんの好きにしていいと思うわ。」

「柊君そんな事言ってたんですか。」

「過保護な兄がいると何かと大変ねー。」
京子さんがそう言って、

「コレなんかどう?」
と、光沢のあるモスグリーンドレスを出してくる。
シュッとしたマーメイドラインのシルエットが大人っぽい。
 
ちょっと私には大人っぽ過ぎるかなぁ。

何着か見せてもらった中で、
綺麗可愛い紺色のドレスが花は気に入る。

膝丈のAラインで、腰はきゅっと閉まっていて脚長効果も期待できる。

胸元もレースのシースルーだけど、
細かいレースだからあまり透け感も無いし半袖丈で、上に丈の短いジャケットも付いている。
これなら柊生もオッケー出すだろうと、
京子さんと笑いながら決める。