若旦那様の憂鬱

その後、花と詩織は中学の時の仲良し4人組で近くの会席料理のお店でランチを堪能した。

久しぶりに会った4人は話が尽きず、お喋りに花が咲く。

「ねぇ。花って一橋家の一員になったんでしょ?イケメンお兄様達はどんな感じなの?」

この手の話は、一橋を名乗るようになった高校時代から良く聞かれるようになったけど、いつも困ってしまう質問だった。

「2人とも優しいよ。」
花は天ぷらを食べながら話す。

「もっと具体的に知りたいのー。
柊様はお家だと、どんな感じなの?」

柊生派らしい1人が食い付いて聞いてくる。

「柊君は一人暮らししてるし、あんまり接点ないよ。
週1くらいで夕飯食べに来たりはするけど、結構、心配性でお母さんみたいな感じがする。」

「なになにどう言う事?」

「今朝とか雪が積もったからって、旅館に行くだけなのに、わざわざ車で迎えに来てくれたし…。」

「えー!!歩いてすぐのところなのに?」

「花がよく転ぶからじゃない?」
みんな口々に言ってくる。

「そんなに、私って転ぶイメージ?」

「だって、雪降った日は必ず一回転んでたでしょ?
花って結構おっちょこちょいだし、慌てん坊だしすぐテンパるし。」

「そうそう。」
みんなが同意して笑い合う。

花はそんな事無い。って心で反抗するが…、

「そこが花の可愛いとこなのよー。
目が離せないって言うか。きっと柊様もそう言うとこが気が気じゃないのねー。」

「いいなぁー、花が羨ましい。」

結局いつも最後は羨ましいと言われるが、花としては、みんなの方が羨ましい。

私はきっとずっと、妹なんだよ…。

柊君から見たら、手のかかる妹にしか無いしそれ以上にはなり得ない…。

好きが積もり積もって苦しくなったらどうなっちゃうんだろう私…。

「でも柊様、彼女いるんだって。どんな彼女なんだろう? そう言う浮いた話しって、一度も聞いた事無いよね。康様は女の子と歩いてるイメージはあるけどさ。」

一橋兄弟の話は尽きず…お食事が終わってもしばらく続いた。