若旦那様の憂鬱

「…ありがとう、詩織ちゃん。
でも、ちょっと言い過ぎじゃない?」

「これは、柊様から頼まれたの。」
にっこりと満面の笑みで詩織が言う。

「えっ?何て頼まれたの⁉︎」

「花に変な虫が付かないように見張ってて欲しいって。
後、アルコール類は絶対飲ませないように
って、心配してたよ。」

そんな事を詩織ちゃんにお願いしてたなんて…。

「過保護なお兄様、私も欲しいなぁ。
柊様にだったら束縛されたいよ。」

そんな事を言うから笑ってしまう。

「柊君、別に束縛はしないよ?」

「でも、私にまで花の事頼んできたんだよ。
どんだけ大事にされてるのって感じよ。」

「だから、あくまでも妹としてだよ。
柊君、彼女いるからね。」

「それでも羨ましい。」
 
…そうかなぁ、 
気苦労が多過ぎるだけだよ…と花は思う。