若旦那様の憂鬱


諦めてベッドから起き上がり柊君から離れようとする。

「喉乾いたのか?」

そうじゃ無いけど……

「お腹、空いた…。」

「部屋で食べるようにお願いしたから持って来てもらう。花はそれまで寝てればいい。」
そう言って柊君は寝室を出て行ってしまった。

天蓋の付いたベッドに寝転びながら思う。
夢の国で夢のような1日、本当夢みたい。

寝てるなんて勿体無い。

あっ。
柊君からのプレゼントの洋服、まだ1つ開けてなかった。そう思って急いでリビングに行く。

と、ちょうどスタッフの人が朝ご飯を用意しに入って来ていて鉢合わせしてしまう。

柊君が驚いた顔で、慌てて駆け寄り抱き上げて寝室に運ばれる。

「花…、せめてカーディガンは着て来てくれ。心臓が止まるかと思った。」
ぎゅっと抱きしめられる。

普段冷静な柊君がそこまで⁉︎

「そんなに恥ずかしい格好?」

「…結構……胸元とか際どいだろ…
しかも下着も着けてないのに…俺以外に見せたら絶対に駄目だ。」
真剣な顔でそう言う。
下着を着けてないのを知ってるのは柊君だけだし、
この服を買って、着せたのは柊君だよね?

と、思うけど。

たまに兄目線に戻って心配する柊君はとても可愛い。
花はふふっと笑って頭を撫でてあげる。

「柊君が慌てたところ初めて見た。」

「俺だってこんなに慌てたの初めてだ…。」

柊君は私を寝室に閉じ込めて、
「良いって言うまで出て来るなよ。」
と、出て行ってしまう。