若旦那様の憂鬱

柊生は昼食を作りながら花が落ち着くのを待つ。
風呂が沸いた合図が聞こえ、花の様子を伺いにそっと寝室のドアを開ける。

「花、風呂沸いたけど入るか?」
声をかけてベッドに近付く。

布団に潜っていた花が顔だけ出して睨んでくる。
可愛いだけなんだが…と思いながら、
神妙な顔でベッドの横に跪き目線を合わせる。

「俺が悪かった。
勝手に拭いたのが嫌だったな…。
もうしないから…そんなに怒らないでくれ。」

先に謝られてしまい花はバツが悪い。

「寝ちゃった私が悪いんだから……謝らないで。」
花がボソッとそう言う。

「じゃあ、何を怒ってる?」

「…怒って無い…。」

と、いいながらも不貞腐れて見える花が分からない。

「じゃあ…どうすれば仲直り出来るか教えてくれ。」
困り果ててそう聞く。

「…お風呂場に連れてって……。」
恥ずかしそうに花が言う。

なるほど。と、柊生はホッとする。

「かしこまりました、ご主人様。」
にこやかに笑いながら、花を抱き上げ風呂場に連れて行く。

「自分で入れるか?」
そっと下ろして花に聞く。

「入れるよ!出てってください…。」

「はいはい。ご主人様ごゆっくり。」
苦笑いしながら柊生は大人しく出て行った。