待ちに待った結婚指輪の引き渡し日。

昨夜、花は柊生の胸で泣き過ぎて眠ってしまったようで、気付いた時には実家のベッドの上だった。
膝の腫れも幾分和らいだみたいで、
昨日よりは曲げる事も出来て一安心する。

本当は今日、花はとりあえずお泊まりしようと思っていただけなのに、
母に相談したら、
『結婚したんだから引っ越ししちゃえば?』と言われ、

柊生に相談すると、
『俺はすぐにでも来て欲しいと思うぐらいずっと待ってる。』
と言われた……。

そんな2人の推しもあり、
なんだかんだと引っ越しする事になって、
部屋の片付けを始めここ一週間はバタバタと忙しく過ごしていた。

持って行くものと、置いて行くもに分けたダンボールを見て花はしみじみする。

この家に越して来た時は、
リュックサックに入るくらいしか荷物が無かったはずなのに、
ダンボールは全部で10箱、持っていく物はそのうちの6箱。

5年のうちに沢山の私物に囲まれていた。