若旦那様の憂鬱

「花!」

床に座り込む花を見つけ急いで柊生は抱き起こす。

「大丈夫か⁉︎」
花の服の埃を払いながら、
柊生はケガが無いかあちこちを調べる。

膝に青痣が出来ている。
怒りが込み上げ目の前の女子達を睨み付ける。

「しゅ、柊君…大丈夫だから…」
花は慌てて柊生の袖を掴み引っ張る。

見ると花が泣きそうな顔で首を一生懸命横に振る。
駄目だと目で咎めてくる…。

柊生はいくらか気持ちを落ち着けて、

「…どう言う、つもりですか?
僕の婚約者と知っていながら、
彼女をここに連れ込んだと言うのなら、
それは僕にとっての侮辱に当たります。」

柊生は怒りを抑え冷静に、
それでも普段より低い声で言う。

「あの、違うんです…、お、お礼をしたくて
あの…」
準ミスに選ばれた美貌でありながら、
心まで綺麗かは分からない。

残念ながら彼女はそうでは無かったと言う事だ。

「貴方達が片付けをしていないのを咎める事も無く、上に告げる事もしないで彼女は1人で片付けていたんです。

貴方にそれが出来ますか?
彼女の綺麗な心をこれ以上、
貴方達の醜い心で穢さないで頂きたい。」
そう柊生は言い放ち、花を連れて部屋を出る。