若旦那様の憂鬱

一方花はその頃、

片付けをしていた所にアシスタントの女性2人から『ちょっと来てくれる?』と、
声をかけられ仕方なく付いて行く事になっていた。

候補者の控え室の前まで来て、
「中に入って。」
と指図される。

花は部屋の中に入るのを躊躇う。

先程、柊生の控え室に来た候補者がそこに居た。

何か言われるんだろうか、怖い…どうしよう。

「あ、あの…片付けないといけないので…。」
花は、怖気付いて一歩下がる。

ドンっと背中を強く押さる。

「きゃっ!」
前のめりに倒れ膝を床に打つけてしまう。

ドアが閉まる前、
「花!」
柊生の声がする。

「柊君…。」
声を出そうとするが震えてしまい上手く出せない。

アシスタントの女性がドアを慌てて閉めようとするその瞬間、

バンッとドアが空いて柊生が走り込んで来た。