「氷室さん!
すみません、お待たせしました!」

学校から少し離れた所で、私たちは合流する。

あまり学校の人に見られたくなかったので、待ち合わせ前に彼に学校付近では合流しないようにお願いしてた。

「さぁ、行こうか」


彼から少し爽やかな笑顔を見せつけられる。

それを無視した私は、彼の後ろを歩く。

彼の表情が見えなくてもいい。

見ているとイライラするから。

〈氷室蒼真が怖い〉

日記に書いていたお姉ちゃんのあの文字。

どんな思いで書いたのかは、想像がついていない私。

おそらくもっと日記を読み込めば、今まで彼にされてきた事が書いてあるだろう。

私はそれを少ししか読めていない。

なぜだか勇気が出ない。

お姉ちゃんの死んでしまった理由をすべて知りたいと思っているのに、日記を全て読むことが出来ない。