「…お姉ちゃん…?」

ある日の夜。

なかなかお姉ちゃんがお風呂から上がって来ないのを心配し、浴室まで様子を見に行く私。

異様に静寂な空間から生まれる不安が私を襲う。

いつもと違う事態に、ドキドキしながらも浴室のドアを開ける。

「え…」

ドアを開けたその先に見えたのは、血まみれの湯舟、そこに腕を入れて倒れている全裸の姉。

「お姉ちゃん!!?」

私の呼ぶ声に全く反応してくれない姉。

意識不明なのか、死んでいるのか分からない。

どちらにせよ私は、姉を揺さぶって大きな声で呼びかけた。


「ねぇ。お姉ちゃん!姉ちゃん!しっかりしてよ!
お姉ちゃん!」

いくら呼んでも全く返事の無い姉を見て、涙なんて耐えられなかった。

「死んじゃったの…?」

受け止められない目の前の現実に、私は必死になって救急車を呼んだ。