なんだ…結末まで、あの頃と同じように、恋愛より大事なものがあるからダメ、なのか。

これが、因果応報というやつなのだろう。

あの頃は、公衆の面前での別れだったが、今は誰も居ない海。

だからこそ、尚更、気まずい時が流れる。

もし、この恋が成就していたら、誰も居ない海というシチュエーションは、きっとロマンチックだっただろうけれど。

あまりに気まずい沈黙のあと、

「今日はもう、帰ろう?」

青山が切り出したので、

「そうだな…」

僕は、誰も居ない海が大嫌いになった。