《オ金ヲ投入シテクダサイ》



なんて乞食する機械に小銭とお札を食わせ静かにする。





《発券シマシタ。オ取リ忘レ二御注意クダサイ。》




またうるさくなりながらお釣りの小銭とチケットを吐き出すこの機械はチケットを取ることによってやっとこさ静かになる。




手に取ったチケットはほのかに温かい。






ピロンっとスマホに催促されジャラジャラとお財布に小銭を仕舞ってから画面を見る。



【すみません、新横浜駅に変更してもらってもいいですかね。】








はぁ。






タイミング悪すぎ。




手にはついさっき買ったチケット。

そこには“京都駅→東京駅”と書かれている。





流石にここでわがままを言って見捨てられては困る。



【わかりました。目処がたちましたらお伝えします。】




『はぁ……』



こんなにも思った通りに行かないものなのだろうか。




そう思いながら再度、改札へと足を運んだ。