そんなある日、デボラ・ガンドルフィという公爵令嬢からお茶の誘いを受けた。

 ええ、わかっているの。彼女がわたしをどうにかしてやろうという魂胆なことくらい。

 アロイージ王国でも散々されたから。

 お姉様の引き立て役として、お茶会やパーティーに参加させられた。

 そこでは、よくあることをされた。つまり、ありとあらゆることを言われたりされたりした。

 またおなじことよね。

 わかっているからこそ、行くのが嫌でならない。

 しかし、フランコの顔がある。行かなければ、なにを言われるかわからない。

 わたし自身のことだったらかまわない。わたしのことが理由で、フランコのことをとやかく言われたくない。わたしのことで、彼の評判を落としでもしたら……。

 行くしかない。しばらくの間、ガマンすればいいだけのこと。

 侍女のフィオレに公爵令嬢のことを尋ねてみた。それから、着ていくドレスのことも。

 すると、フィオレはすぐに侍女長のアーダと執事長のジェラルドを連れてきた。

 三人そろって「やめた方がいい」、と言われた。