「よほどお疲れだったのですね。陛下から、心ゆくまで寝かせてやればいいと言付かっております。ああ、そうでした。先程のご質問ですが、お昼の鐘がなったばかりです。そろそろお腹もすいてくる頃かなと。呼びかけて返事がなければ、出直すつもりでした」
「お昼、すぎ?」

 われながら驚きである。

 こんなにぐっすり眠ったのはいつぶりだろう。

 フィオレはわたしの身づくろいを手伝ってくれ、トランクの中身をテキパキとクローゼットやチェストに移してくれた。

 それから、遅い朝食、というよりかは昼食を運んで来てくれた。

 それを、バルコニーでいただいた。

 スープにサラダ、それから卵、チーズとハム、トマトとベーコン、カツ、フルーツと生クリーム、五種類のサンドイッチ。それらをブラックベリーティーとともにいただいた。食後には、ブラックベリーパイ。生地はサクッサクでブラックベリーのほどよい酸味がよくマッチしていた。

 とにかく、出されたものはペロッと平らげた。