「公爵令嬢」
「ナオと呼んでください」
「では、ナオ。兄の読書友達とやらになってやってください。それで、二人で大いに本について語りあってやってほしいのです」
「え、ええ」
「うるさいぞ、カスト。行くのならはやく行け」
「ナオ。ようこそ、バリオーニ帝国へ。どうか第二の人生を満喫してください」

 彼はさっと床に片膝をつくと、わたしの手を取り口づけをしてくれた。