「役立たず聖女」だからと捨てられた私を拾って溺愛し大切にしてくれたのは、大国の冷酷非情な竜帝でした~真の聖女の加護の力が失われたと気がついても手遅れですし、助けるつもりはありません~

「アロイージ王国の王宮ではすまなかった」

 フランコは、みずから淹れた紅茶を一口すすった。

 結局、カストは残ることになった。

 正直、ホッとした。

 初対面のときよりかはマシになったけど、それでもフランコのことが正直怖い。

 カストがいてくれれば、間がもつかもしれない。

「いいえ。謝罪するのは、わたしの方です。王宮では、国王が非礼きわまりないことを……。アロイージ王国の王族と廷臣たちになりかわりまして、心より謝罪いたします」

 遠い東の方の大陸には、土下座という謝罪の仕方があるらしい。お詫びの方法の最高峰ってところかしら。

 アデルモのしたことは、その土下座でも足りないくらいの非礼だわ。

 ただただ謝罪するしかない。