「彼らは、いつもケンカばかりしています。なのに、なぜか組んで任務にあたるのです」
「ケンカするほど仲がいいって言いますよね」
「ええ、おっしゃる通りです」

 カストと二人、顔を見合わせてさらに笑ってしまった。

 そのとき、大きな扉が軋み音ともにすこしだけ開いた。

「いつになったら入ってくるんだ、カスト?」

 すこしだけ開いた扉の向こうから、聞き覚えのある声がきこえてきた。

「あっ、しまった。公爵令嬢。さあ、どうぞ」

 カストが大扉を開けてくれたので、二人の衛兵に会釈してから慌てて中に入った。

 すると、そこは控えの間だった。

 まぁ、当然でしょうけど。

 カストが奥の扉を開けてくれた。

 一気に緊張感が増す。