エルマは、確実にそうしてくれた。

 彼女は、初対面からわたしを完璧に守ってくれた。

 そして、バルナバやボルディーガ侯爵は、舞踏会が行われることを察知した直後にフランコに使いを出し、彼が即座に帰国する手配をしてくれた。

 そのお蔭で、フランコとカストは舞踏会に間に合った。

 結局、宰相は失脚した。デボラとともに、領地に追われた。ガンドルフィ公爵家は、嗣子が継いだ。だけど、その嗣子も父親や姉に似て愚か者らしい。女遊びしか出来ない無能者の為、放っておいても近い将来爵位を剥奪されるかもしれない。

 そして、ジルド皇子は皇族から除籍された。皇宮から追いだされ、母方の遠縁に身をよせることになっているという。

 いずれにせよ、フランコは政敵をいっきに消し去ることが出来た。

 それでも、まだ政敵はいるらしい。