娘可愛さかどうかはわからないけれど、宰相も「大丈夫なの?」って思わざるを得ない。

 宰相は、はやいはなしがフランコがわたしを連れてきたことが気に入らないらしい。

 まるでわたしが、「宰相をかえた方がいい。でなkれば、この国は災厄に見舞われるであろう」って告げた魔女のように、わたしを非難している。

 遠まわしに、だけど。

「宰相、大人げないですな」

 ボルディーガ侯爵と侯爵夫人がやって来た。

「というよりかは、ナオを口実にして陛下に不満を持たれ、非難されている。陛下が招いた客人を非難するということは、そうとらえられてもおかしくありませんね」
「外務卿、きみが不甲斐ないからアロイージ王国になめられているのではないのか?しかも聖女ごときにつられ、だまされたわけだ。陛下は、このご令嬢の魔力だまされた挙句に隣国を許すことになる。それどころか、援助までするというではないか。バカバカしいかぎりだ」
「宰相。であれば、陛下に直接おっしゃられてはいかがかな?」

 侯爵と宰相が言い合いをしている間に、大広間の入り口辺りが騒がしくなった。