一応名目上の紹介は終わったんだし、エルマの言う通り食べることを楽しみましょう。

 というわけで、エルマと二人で気合を入れて食べはじめた。

「あらあら、『押しかけ聖女』と『馬きちがい令嬢』じゃない」

 しばらくすると、トラブルがやって来た。 

 当然、それはデボラ・ガンドルフィ公爵令嬢以外の何者でもない。

 彼女の派手なドレスが際立っている。

 わたしのお姉様は、派手である。聖女だからこそ、おとなしめでやさしくやわらかい外見や内面を必要とする。

 たしか、お姉様も子どもの頃はいまほどひどくはなかった。たしかに、流行りの柄とかデザインとかを欲しがった。だけど、それは他のご令嬢たちも欲しがる常識の範囲内だった。

 いつ頃からあんなに派手になってしまったのかしら。

 もっとも、そんなことをいまさらかんがえても仕方がないんだけど。

 とにかく、そんな派手すぎるお姉様よりよほど派手な色合いとデザインのドレスと靴を着用し、髪型と化粧を施している。