「くれてやるんだ。後は煮るなり焼くなりしてくれ」

 アデルモは、最後の一押しをした。

 竜帝がチラリとこちらを見た。

 仮面の下の表情は、どんなかしら。

 憐憫?蔑み?

 いずれにせよ、いいものでないことは確かね。

「連れて行け」

 唐突に、彼は踵を返して歩きはじめた。

 竜帝を守護している兵士が二人、駆けて来てわたしの左右から手荒に腕をつかんだ。