オフクロサマ

護法祭もメインは夜中だったし、このミチ村での祭りもそうであると予想しておくべきだった。


残念ながらここに来るまでの間、泊まる場所の確保などはしてこなかった。


そもそもこの村に宿泊施設はあるんだろうか。


もしなければ加茂町まで戻って探さないといけなくなる。


「なんだ、なにも準備してないのか」


男性が呆れた表情なり、なんとなく申し訳ない気分になった。


「とにかく家に入るかい?」


男性はそう言いながら玄関へと向かう。


智香と裕貴は一旦顔を見合わせて、男性に甘えることにしたのだった。