オフクロサマ

それは手の指の本数が人よりも一本多いことだった。


捨てられていたフクロダキを見た瞬間、これが原因だったのだろうと悟った。


余分に伸びてきた6本目の指は全く機能しておらず、触れてみるとブニブニとした肉の感触がした。


あるべき骨はその指には存在していなかったのだ。


今なら手術を受けて撤去すればいいが、当時はそう簡単にはいかなかった。


なによりこの村に手術ができるような病院はない。


ここ数年は不作でお金になるような作物もとれていない。


そんな状況だったから、フクロダキを保護した家族は手袋を編んでやった。


親指のとこだけが別れているタイプの手袋で、フクロダキの生まれつきの奇形を隠したのだ。


そうやって、フクロダキの奇形は周りにバレることなく日々は過ぎていった。


保護されたときにはガリガリにやせ細っていたフクロダキも、一ヶ月立つ頃にはふくふくと丸い赤ん坊特有の体型になってきた。


顔を近づければミルクの匂いがして、誰からも好かれる存在になっていた。


しかし、大きくなって常に手袋をしておくわけには行かなくなったとき、村の中に妙な噂が立った。