オフクロサマ

「ねぇ安喜くんお願い。オフクロサマって一体なに? フクロダキの事件と関係があるの?」


智香がドアに近づいて聞いた。


隙間から見えている安喜くんが一瞬たじろいだのがわかった。


「もうそんなところまでわかってるんだね。だから大人たちが慌ててたんだ」


「お願い、押して安喜くん! 私、友達を助けたいの!」


友達という言葉に安喜くんは反応している。


自分の友だちのことを思い出しているのかもしれない。


「わかった、教えてあげる。あのお祭りの名前を知ってる?」


「え? それは知らないかも」


思ってみればここでお祭りがあるとしか聞いていなかった。


会場にも祭りの名前など書いていなかったから、わからないままだ。


「お祭りの名前はオフクロサマ。オフクロサマがメーンのお祭りなんだ。そしてそのオフクロサマっていうのは、フクロダキのこと」


やっぱりそうだったんだ!


「フクロダキっていうのは大量殺人の犯人だろ? どうしてそんなヤツが祭りの中心になるんだ?」


裕貴からの質問にも安喜くんは冷静に答えてくれた。