裕貴に迷惑をかけてしまうからそんなことはできないけれど、本気でそんなふうにかんがえてしまった。
「いや、まだ終わってない」
「え?」
目を見開いた智香の前で裕貴はそっと玄関ドアに手を伸ばしていた。
「桜さん、鍵をかけたか?」
そう聞かれて、階段を上がる音は聞こえたけれど玄関の鍵をかける音は聞こえなかったことを思い出す。
智香は自分の体に活力が戻ってくるのを感じた。
まだ可能性は残っている。
あるいは、桜がその可能性を残して行ってくれたのだ。
そっとノブを回すと玄関ドアはすんなりと開いた。
念のためにそこから中を確認しして桜がいないことを確かめた。
ふたりは足音を忍ばせてつい数時間前にも来た家の玄関へと侵入した。
二階からはテレビの音が漏れてきていて、桜はテレビを見始めたことがわかった。
靴を脱ぎ、リビングへ向かうとさっきまでと変わらない様子がそこにあった。
出されていたグラスだけが片付けられている一枚板のテーブルの横を抜けて本棚へと向かう。
この家にも膨大な量の本が並んでいるけれど、資料館に比べると半分以下だ。
「いや、まだ終わってない」
「え?」
目を見開いた智香の前で裕貴はそっと玄関ドアに手を伸ばしていた。
「桜さん、鍵をかけたか?」
そう聞かれて、階段を上がる音は聞こえたけれど玄関の鍵をかける音は聞こえなかったことを思い出す。
智香は自分の体に活力が戻ってくるのを感じた。
まだ可能性は残っている。
あるいは、桜がその可能性を残して行ってくれたのだ。
そっとノブを回すと玄関ドアはすんなりと開いた。
念のためにそこから中を確認しして桜がいないことを確かめた。
ふたりは足音を忍ばせてつい数時間前にも来た家の玄関へと侵入した。
二階からはテレビの音が漏れてきていて、桜はテレビを見始めたことがわかった。
靴を脱ぎ、リビングへ向かうとさっきまでと変わらない様子がそこにあった。
出されていたグラスだけが片付けられている一枚板のテーブルの横を抜けて本棚へと向かう。
この家にも膨大な量の本が並んでいるけれど、資料館に比べると半分以下だ。



