(意外ですわ、子供っぽい所もありますのね……)
(そうそう……でもちゃんと努力はする方なので憎めないんですの。この間も図書館で女性との付き合い方に関する書籍を探していると、管理人が聞いたと……)
「パメラ……?」
「な、何でもございませんわ! おほほ……」

 侍女達の囁きに面白がる響きを感じたのか、レクシオールの一睨みがそれを中断させる。そんないざこざにもリュミエールはどこか暖かいものを感じて嬉しかった。

(私もこんな風に、彼を理解してあげられる人になりたい……)

 食事の手を止めていたリュミエールだったが、気づくとレクシオールの瞳がこちらに向いており、彼は言った。

「残すなよ……お前はもう少し食べて、女としての自信を養わねばならん」
「……? 分かりました……」
((どういう意味……?))

 顔を見合わせる侍女達もリュミエールも、彼の発言の意図を正確に理解できておらず……唯一それを察したフレデリクだけが「グフッ……!」と言う食事の場にふさわしくない笑いを発し、後ろを向いて背中を震わせていた……。