その言葉にグリッとケイティの視線が動く。
 彼女は毎日リュミエールを可愛く飾りつけたくてたまらない……それが生きがいでこの仕事をやっているのである。

「どんなものが用意してあるのです……! 私に選ばせて下さいませ!」
「いえいえ、ここは私が公爵閣下のお好みにあったものを……」
(あらあら……)

 どたばたと騒がしく大きなクロゼットを探り始めた二人に、ここでも私の意見はあまり考慮されなさそうね、とリュミエールはついつい苦笑いしてしまうのだった。