きっと彼ならば、レグリオについて何かを知っているのではないかとリュミエールは信じていたのだ。パーティーで一度だけ見かけた彼の瞳が夢の中の竜とあまりにもよく似ていたというだけで。

 でも彼は何も知らないと言った……。

(仕方ないわ……元より、当てのない探し物だったんだもの……)

 リュミエールは涙を拭う。

 レグリオを知る一番の手がかりが失われてしまった事は物凄く残念だけれど、恥じるべきは考えの浅い自分なのだ。こんな事で誰かを心配させてはいけない……。
 
「なんでもないの……すみません、フレディ、お部屋に連れて行って下さる?」
「ええ……ではこちらへ」

 気づかわしげな表情を向ける二人に首を振って笑顔を作り、リュミエールはその後ろにゆっくりと続いた。