むせたリュミエールは鏡台の前に座らされ……後ろでケイティに髪を梳かされながら、ぼんやりと自分の顔を眺めた。
整える前の目先に垂れた白髪を見て、彼女はお化けみたいと自分で思う。
リュミエールの白い髪と橙の瞳は、何代前の聖女の容姿が代を隔て遺伝したものなのだそうで……彼女自身としてはあまり自分には似つかわしくないと思っている。
なぜなら、彼女には聖女としての力は欠片ほども受け継がれなかったのだから……。
(ならせめて、もう少し見栄えのする顔だったらよかったのかも知れないけれど)
リュミエールは、自分の顔を美しいとは思えない。
鼻は小さくて低いし、目は大きくて子供っぽいし、唇もふっくらしておらず女らしさにかける……というのが彼女の自己評価だった。肌が白いのも相まって、白い服でも着て夜中をうろつけば、きっと見かけた人は幽霊か何かと勘違いしてしまうだろう。
だが、いみじくもそんな容姿を受け継いだことで国王陛下の目に留まり、次の王となられる王太子殿下の婚約者として選ばれたのだ。
一族の中で最も聖女らしい容姿を持った彼女の存在は、国をまとめ権勢を保つために有用だろうと判断されただけなのだと知りつつも……リュミエールは婚約者に選んでくれた王家と王太子に感謝していた。
整える前の目先に垂れた白髪を見て、彼女はお化けみたいと自分で思う。
リュミエールの白い髪と橙の瞳は、何代前の聖女の容姿が代を隔て遺伝したものなのだそうで……彼女自身としてはあまり自分には似つかわしくないと思っている。
なぜなら、彼女には聖女としての力は欠片ほども受け継がれなかったのだから……。
(ならせめて、もう少し見栄えのする顔だったらよかったのかも知れないけれど)
リュミエールは、自分の顔を美しいとは思えない。
鼻は小さくて低いし、目は大きくて子供っぽいし、唇もふっくらしておらず女らしさにかける……というのが彼女の自己評価だった。肌が白いのも相まって、白い服でも着て夜中をうろつけば、きっと見かけた人は幽霊か何かと勘違いしてしまうだろう。
だが、いみじくもそんな容姿を受け継いだことで国王陛下の目に留まり、次の王となられる王太子殿下の婚約者として選ばれたのだ。
一族の中で最も聖女らしい容姿を持った彼女の存在は、国をまとめ権勢を保つために有用だろうと判断されただけなのだと知りつつも……リュミエールは婚約者に選んでくれた王家と王太子に感謝していた。



