広場を満場一致の拍手が埋め尽くし、各人がそれぞれに手渡された籠から、色とりどりの花々が振り撒かれる。

「さあ、行こうか……」

 レクシオールは引き締まった腕をリュミエールに突き出し、彼女はそれに寄りかかるようにつかまる。すると今まで我慢していた分が、急に……。

「ううっ……」

 涙が、後から後から出てきて止まらない。

 もう誰も、『(から)っぽ』だの『亡霊(ぼうれい)』など嘲る人はいない。参列者たちは無心で手を叩き……あんなに笑顔で彼女達を祝福してくれているのだ……そして。

「……安心しろ、俺は死んだって離れやしない。あの二人みたいにずっとそばにいるから……いつまでもな」

 隣にはこんなにも素敵な……最高のパートナーがいてくれる。

 リュミエールもレクシオールも互いに、心から笑い合えた。

「……はい! 私も……あなたの隣が一番の居場所です!!」

 そうして二人はまっすぐに延びる道を歩いてゆく……。

 繋いだその手を離すことなく、ずっと――――……。

(おしまい)