【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~

 すると察してくれたのか、母は父の袖を引く。

「あなた、若い二人の邪魔をしてはいけませんわ……それに常々心配してらっしゃったじゃないですか。自分譲りの気の強さのせいで中々嫁の貰い手がないのだと……」
「む……それは、そうだが」

 父は反駁(はんばく)をぐっと飲み込んで、ロベルト国王を睨みつける。

「君にそのつもりがあるなら、今度家に来てくれたまえ……そこでゆっくりと話し合おうではないか」
「光栄ですね……いずれまた」
「じゃあね、パメラとそちらの殿方。さああなた、もう少し前で見せてもらいましょう」
「わかったわかった……」
 
 言葉少なに返したロベルトに母は微笑みかけ、父を引っ張って行く。
 柔和なようでいて中々母は行動力があるので、正直助かった……とパメラは息を吐き、ロベルトを思い切り恨みがましい視線で見つめた。

「ハイネガー伯爵様……。おかげ様で今度会った時両親になんと言い訳したものか……頭痛の種ができてしまいましたわよ!!」

 隣で頭を抱えたパメラに、ロベルトは事もなく言う。