【WEB版】空っぽ聖女と婚約破棄されましたが、真の力が開花したのであなたなんてこちらから願い下げです!~義姉に全て奪われたけど、銀竜公爵からの溺愛が待っていました~



 快晴の元、城内の庭園は大勢の参列者で賑わい、笑顔であふれている。
 本日は無礼講で、城の多くの家人もその場に参列する中……その人の登場に会場が湧き立った。

「国王陛下の御成りだ!」

 即位した現国王ロベルトは皆に手を振りながら貴賓席へと歩いてゆき、その後ろには数人の貴族達が続く。その中には宰相の姿もあった。

 そんな姿をひとしきり眺めた後、侍女パメラは首を巡らせた。
 城内の知り合いと世間話をして旧交を温めた後、彼女は目当ての人物達を見つけて近寄る。

「父上、母上、ご無沙汰しておりますわ……!」
「おぉ、パメラ……久しぶりだな」
「元気にしているようで何よりだわ……」

 黒いひげを貯えた父はパメラの肩を叩き、母は彼女を抱きしめる。
 騎士である父は四十を越えて白髪の混じり始めた髪をかき上げて言った。

「まさかお前が王城でお仕えすることになろうとは、父として鼻が高いぞ」
「今回の主役である御令嬢も、あなたがお世話したと聞くわ……本当に立派になったわね」