そして待ち望んだノックの音が、扉を叩く――。

「ど、どうぞ……! まぁぁっ……!!」

 ケイティが素早く扉を開け、息を呑んだ。

 それもそのはず……そこに佇んでいたのは白いタキシードに身を包む、絶世の美男子であったのだから。

 長い髪は後ろで一つに結わえられ、下手なアクセサリーなど、霞んでしまうような美しさだ。

 涼やかな青い眼元も、リュミエールに会ってから時折柔らかな光を放つようになり、より魅力が引き出されたと言えるだろう。

「ほら、突っ立っていないで通してくれ」
「……あまりの男っぷりに、ケイティは心臓を止めてしまいそうになりましたよ! さすが御嬢様のお相手にございます! ですが、本日の御嬢様も負けてはいませんよ……!」

 そう言って挑戦的な笑みを浮かべるケイティに、レクシオールは片方の唇を上げる。

「ほう、それは楽しみだ……是非見せてもらおうか」
「あちらにございます……(ううっ、眩しい!)」