………………。

『……ごらんよアリエステル、あの街を。私等がいた頃より、ずっと豊かに暮らしている。僕らが頑張ったことは、無駄じゃなかったんだ』
『ええ……この先ずっと、こんな風に穏やかな時代が続いて欲しいわ……』

 …………。

『……そろそろ行こうか。……君達が幸せになれるよう、ちゃんと見守っているからね。君達の絆があれば……何があっても一緒に乗り越えてゆける。頑張って……』
『良かったら、その指輪はお守りにしてね。二人でちゃんと支え合って、なんて今更だと思うけれど……大切な人さえ傍に居れば、何も怖い物なんて無いから……信じた道を進んで。それじゃあ……二人とも』

『『――お幸せに……!!』』



 ――その瞬間。

リュミエールとレクシオールは、ハッと自分の体の感覚を取り戻した。同時に目を丸くして、抱き合ったお互いの顔を見やる。