視界は閉ざされていたが、自分の声と、レックスの声で、違う誰かが話しているのが聞こえてくる――。


『――……アリエステル、君なのか?』
『……レグリオ、レグリオなのね……!! ああ、あなたとまた出会うことが出来たなんて……』

 …………………………。

『長い間、君のことをずっと探していたんだ。魂だけの存在となりあの指輪の中に宿って……』
『そう、そうだったの……。こうして巡り合えたのは、この子のおかげなのね。フィースバークに受け継がれた血に宿る記憶を、彼女が祈りによってあなたと繋いでくれた。それに力を割いたせいで、この子の聖女としての能力は失われてしまって、本当に申し訳ないことをしたわ』

 ……………………。

『ああ、だがここは素直に彼女に感謝したい。私達の為にずっと祈り続けてくれたことを……。ありがとう、リュミエール。今度はアリエステルを二度と離さずにいられると思う、きっと……』
『体を貸してくれた、そちらの子にもお礼を言わないと……でも、本当にわたし達を見ているみたい。平和になった時代でも、こうして子供達が生き続けてくれていたのね。……言葉が見つからないわ』