王都から帰還して数日の後、リュミエールとレクシオールは約束通り元フィースバーク領へと赴いた。
ケイティは実家であるラーセル子爵家から呼び出しを受けた為、今日はいない。パメラも何かの準備で忙しいらしく……今回はごく少数の護衛を除き、二人だけの旅だ。
すでに屋敷は、新しい領主のものとして使われる準備が進められているらしく、目的地への道すがらリュミエールはそれを複雑な思いで見つめていた。
もうあそこへ帰ることは無いのだ……。
「……寂しいか?」
「どうなんでしょう……辛いできごともありましたが、あそこには確かに大切な思い出もあった気がします。全てを忘れることはできそうにありません……」
「そうか……」
レクシオールは彼女の頭をそっと抱き寄せた。
「……心配しなくても、大丈夫ですよ? 良い知らせもありましたし……」
リュミエールの手元にある一通の手紙……それは彼女達の王都行きと入れ替わるように届いていた、ケイティ宛にセルバンから返された物だった。
ケイティは実家であるラーセル子爵家から呼び出しを受けた為、今日はいない。パメラも何かの準備で忙しいらしく……今回はごく少数の護衛を除き、二人だけの旅だ。
すでに屋敷は、新しい領主のものとして使われる準備が進められているらしく、目的地への道すがらリュミエールはそれを複雑な思いで見つめていた。
もうあそこへ帰ることは無いのだ……。
「……寂しいか?」
「どうなんでしょう……辛いできごともありましたが、あそこには確かに大切な思い出もあった気がします。全てを忘れることはできそうにありません……」
「そうか……」
レクシオールは彼女の頭をそっと抱き寄せた。
「……心配しなくても、大丈夫ですよ? 良い知らせもありましたし……」
リュミエールの手元にある一通の手紙……それは彼女達の王都行きと入れ替わるように届いていた、ケイティ宛にセルバンから返された物だった。