襲撃事件の後、王国軍の兵士達によって丁重に王都まで送られたリュミエール達は王城で一夜を過ごし……翌日、国王陛下から直々に恩賞を賜ることになったのだが……。

「それでは、あの手紙は事態を察知していた、第二王子からのものだったのですか……?」
「そういうことだ。助けが来るのは分かっていたが、あの王子も存外、したたかというか……言い逃れが出来ないところまで機をうかがっていたのだろうな」

 王城の広間に続く通路を歩きながら、昨日の出来事を思い返す四人。
 レクシオールは下手な行動を慎むよう三人を落ち着かせた理由を話してくれた。 

 ――レクシオールの元に出立の前に届けられたあの手紙……それには黄色い蝋で封がされていた。

 それは特殊な、国政を司る高位の重臣にしか扱う事の許されていないもので、中には短く、『公爵殿の命を狙う者あり。助けを送る、信じて待て――』とあったのだ。

 そして彼は信じた……見覚えのある筆跡のその主を――。