レクシオールがその場に跪き、リュミエール達もそれに倣う。
 ロベルト第二王子はカシウス王太子とそう年は変わらないはずだが、彼の方が大人びて見えるようだ。

(あら……?)

 リュミエールは彼の顔立ちを見て一瞬誰かが頭の中によぎったが、思い出す前に喋り始めたロベルトの言葉に耳が傾く。

「構わぬよ。お主も知っての通り、分かっていてさせたことだったからな……それに、まだ終わってはいない。これからだ」
(どういう意味かしら……)

 リュミエールと侍女達は首をかしげたが、それに答えることなく第二王子は遠くを見た。

 視線の先――騒がしくしていて気付かなかったが、また一つ違う部隊がこちらに走って来る。

 そして、その先頭に立つのは……。

(あ、あの御方は……!?)
「リュミエール、助けに来たぞ――!!」

 遠目にも煌びやかな甲冑を身に着け、一番にこちらに向かって駆けて来る金髪の青年は……なんと。

 ――第一王子カシウスその人だったのだ。