「……フッフッ、では……ここで死んでいただく!」

 男が剣を勢いよく剣を振りあげた、その時……!

 ――ヒュンッ!! ヒュンッ!!

 弓を射る音がして、くぐもった悲鳴が連続し男達が倒れた。

「何者!?」
(来たか!)

 リーダー格の男が、後ろを振り向き驚愕する。
 騎馬の砂煙と、身を隠して先行した歩兵たちがそう遠く無い位置まで迫っており、レクシオールの口角が上がる。

「なぜだ、なぜ攻撃を仕掛けてくる? あれは……別の!? くそおっ、貴様だけは!!」
「……甘い!」

 ――ガキッ!

 迷いの出たリーダー格の男の剣はレクシオールにやすやすと避けられ、背後の馬車の側面に突き刺さって抜けなくなる。