「……レックス?」

 しかし、同意はしばらく帰って来ず、奇妙に間延びした静寂に首を捻るリュミエール。
 
「……大丈夫だ、おそらく奴らの要求は俺の身柄の方だろう。お前らに危害は加えさせん。それに……考えがある。今は言えんが、俺を信じてくれ」
「あなたがそう言うなら……」

 彼の表情は目隠しのせいでわからないが、今度は力強い言葉で返答が帰って来て、三人はそれぞれ安堵のため息を吐く。

 とはいえ、こんな状況でできることがあるのだろうか?

 完全には疑念をぬぐい切れないまま、重たい沈黙を保ちながら四人は馬車に乗せられ、何処かへと運ばれて行った。