だが、レクシオールの言葉にはまだ続きがあった。

「はっきり言っておく。お前が好きだ……。お前が聖女だろうが、なんだろうが俺の気持ちは絶対に変わらない。望んでくれる限りずっとそばにいる。エル、今ここでその誓いを立てることを許してくれないか」

 それを聞いた瞬間、彼女の頭から魂が抜けそうになり、顔色が青、白、赤と目まぐるしく変わる。ぐらついたリュミエールはレクシオールに抱き留められて何とか正気を取り戻した。

「っと、しっかりしろ」
「ふわ……そそ、それはその、具体的に言うととても恥ずかしいことを、ここで……ということでしょうか?」
「ああ、契りの口づけを今ここで交わして欲しい……俺と」
「ひぅ! あ、あの……」

 遠巻きに民衆が眺めるこんな状態で、レクシオールがそこまでのことを言うとは思っておらず……彼女は、口をパクパクと開閉した。

「さあ、答えを聞かせてくれ。駄目なら別に今でなくとも構わんが……俺の気持ちは変わらんからな」